人間は自分が有利になるように、合理的に行動出来る動物だと言われている。
しかし、経験上ほとんどの場合、合理的な選択が出来ていない。
例えば、
- 職務質問に協力した方が早く帰れるのに、気に入らないという理由で、たとえどれだけ時間がかかったとしても絶対に協力しない
- 人を殴ると警察に捕まって、懲役や罰金、前科も付くのが分かっているのに、イラッとした気持ちをスカッとさせるために、殴ってしまう
等、皆も見たり聞いたりした事があると思う。
明らかに不合理な行動だと思わないだろうか。
それは知らず知らずのうちに取っているもの、わかっていながら取っているものがある。
人間は何故か必ずしも合理的に行動しないと言う事である。
相手が自分より得をする場合、自分が損をしても相手を得させたくない
目の前に10000円があり、それを知らない男と山分けをする事になった。
相手はどのように山分けをするか決める事が出来る。あなたがその金額を受け入れればその金額を受け取ることができ、拒否すればお互い1円ももらえない。
さて、相手から提示された金額は、相手が9000円、あなたは1000円と言うものだった。
あなたならどうしますか??
合理的に考えるなら、1000円でも貰えるならプラスなので了承出来るはず。
しかし、一定数の人は「拒否」する事を選ぶ。
どうせ見ず知らずの相手ならとりあえず貰っておいて損は無いはずなのに、「相手だけ得するのはずるい!舐められているのが許せない!」と言う心理が働き、自分の取り分を失ったとしても、相手の得を潰すことを選んでしまう。
個として合理的であっても、全体として非合理的である場合の存在
数学者アルバート・タッカーが考案した囚人のジレンマのように、個人同士が合理的に選択した結果が、社会全体にとって望ましい結果にはならない場合がある。
「囚人のジレンマ」は、共同で犯罪を行ったと思われる2人の囚人AとBに対し、自白させるため、次のような司法取引をもちかける。
「2人とも黙秘したら、2人とも懲役1年。もし片方だけが自白したら、自白した人はその場で釈放する。一方、黙秘を続けた人は懲役10年になる。2人とも自白したら、2人とも懲役5年となる」
さてこの場合、個として合理的に行動した場合、自らの利益である釈放の為、お互いに自白する事となる。
すると、お互い黙っていた場合より重い懲役5年食らい、お互いに損をしてしまう。
個を優先すると全体としてはマイナスに働くことがあるってことですね。
いつでも思いやりが大事
個人の利益が優先すれば、全体としてマイナスに働くことが多いってことだ。
このように人間は理性的ではなく、感情に支配されている。
たとえ自分が損をするとしても、合理的に判断できず感情を優先する。
意識的に社会全体に目を向けて判断するように心がけよう。
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