都市伝説

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誰もいない時間の、記録について

深夜、誰もいないはずのオフィスに繰り返し映る人影。最初は機械の誤作動だと思っていたが、映像を見るたびに、その人影は少しずつ「こちらに近づいていた」。 去年の秋ごろの話だ。 俺はとある県境に近い中小の物流会社に勤めていて、その会社の庶務を...
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毎年、同じ日に届く手紙の話

毎年同じ日にだけ届く差出人不明の手紙。最初は誰かのいたずらだと思っていたが、六年目に気づいてしまった――手紙の内容が、その年に起きることを先に知っていたことに。 最初の手紙が届いたのは、私が二十六歳の秋だった。 その頃、私は県境の町にあ...
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うちの猫が、あの角を見ていた話

引っ越して間もない頃から、飼い猫のムギが毎晩、部屋の同じ角をじっと見つめるようになった。最初は動物の習性だと思っていた。でも、ある日の夜、私はムギの視線の先に、ほんのわずかな変化を見つけてしまった。 ムギがあの角を見るようになったのは、引...
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宛名が変わっていた、あの部屋の話

一人暮らしを始めた部屋に届く荷物の宛名が、いつからか自分の知らない名前に変わっていた。郵便物が示したのは、この部屋にまつわる、消えたはずの何かの痕跡だったのかもしれない。 去年の春、俺は仕事の都合で県境の町に引っ越した。 といっても大げ...
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死んだ友達のアカウントが、今日も更新されている

交通事故で亡くなったはずの友人のSNSアカウントが、死後も更新され続けた。最初は誰かのいたずらだと思っていた。でも投稿される写真に、見覚えのある場所が映り始めたとき、俺は気づいてしまった。 中村が死んだのは、去年の十一月の話だ。 県境の...
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友人が出た後の部屋に、誰かがいた

大学の友人が急に引っ越した後、その部屋を片付けに行った男が気づいた——荷物はすべて運び出されたはずなのに、部屋の中に誰かが暮らしている痕跡だけが、少しずつ増えていく。 大学を卒業してから三年が経つ頃、俺は久しぶりに昔の友人と連絡を取り合う...
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実家の階段、いつから何段だったか

帰省のたびに、実家の階段の段数が微妙にずれている気がする。気のせいだと思っていた、最初のうちは。 子どもの頃から、数を数えるのが好きだった。 階段の段数とか、電柱の本数とか、横断歩道の白い縞の数とか、そういう意味のないものを数える癖がず...
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毎晩続きを見る、あの廊下の夢

同じ廊下の夢を何年も見続けた男が、ある日その廊下を現実の中に見つけてしまう。夢の中でだけ先に進めると思っていたのに、もう戻れないかもしれない。 最初に見たのは、たぶん二十代の後半だったと思う。 当時、俺は県境に近い小さな町で一人暮らしを...
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天井の足音が、夜ごとに増えていった話

引っ越したばかりのアパートで、毎晩決まった時間に天井を歩く足音がした。最初は一人分だったそれが、夜を重ねるごとに確実に増えていった。 あの部屋に住んでいたのは、トータルで三ヶ月にも満たなかったと思う。それほど短い期間だったのに、あのときの...
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毎回、同じ角で道を聞かれる

同じ場所で、同じ顔の人間に、何度も道を聞かれる。ただそれだけのことが、じわじわと日常を侵食していった記録。 最初に声をかけられたのは、去年の春のことだった。 仕事を終えて最寄り駅から歩いて帰る途中、商店街を抜けた先にある丁字路の角で、一...
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