2026-09-02

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祖母がいつも挨拶していた、あの場所のこと

祖母が毎朝、誰もいない縁側の隅に向かって頭を下げていた。その理由を知ったとき、私は祖母の家に二度と泊まれなくなった。 祖母の家に初めて泊まったのは、小学三年生の夏だった。 県境に近い山の中の集落で、バス停から歩いて二十分くらいかかる場所...
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アルバムの中の、知らない参列者

友人の結婚式のアルバムを整理していたとき、どの写真にも同じ女が写り込んでいることに気がついた。誰も彼女を知らないのに、彼女はずっとそこにいた。 あれを思い出すきっかけになったのは、去年の秋に自分の引き出しを整理していたときのことだった。奥...
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拾ったノートが、私の夢だった

雨の日に拾ったノートには、見知らぬ誰かが書き続けた夢の記録が綴られていた。読み進めるうち、その夢が自分の夢と完全に一致していることに気づく。 それを拾ったのは、梅雨の終わりごろの話だ。 駅から徒歩十分ほどのところに住んでいて、毎朝同じ道...
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祖母の家の電話が、つながる先のこと

亡くなった祖母の家を片付けるために訪れた私は、誰もかけてくるはずのない固定電話が、決まった時刻に鳴り続けることに気づいた。受話器の向こうにいるのは、何者なのか。 祖母が亡くなったのは、三月の終わりのことだった。 享年八十二。老衰と診断さ...
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祖母の家の電話が、鳴る夜のこと

亡くなった祖母の家を片付けていた私は、契約を切ったはずの固定電話が夜になると鳴ることに気づいた。受話器の向こうには何もない——でも、本当に何もないのだろうか。 祖母が死んだのは、去年の秋の終わりごろだった。 享年八十四。大病をしたわけで...
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旅先の写真に残った、私の影のこと

旅行先で撮った写真を見返すと、自分の姿はどこにもないのに、自分だけの影が地面に落ちていた。最初は光の加減だと思っていた。 去年の秋に、一人で小さな旅行をした。 目的地は特に決めていなくて、ただ仕事が続きすぎて疲れていたから、なんとなく電...
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給湯室の水が、止まらない夜のこと

誰もいないはずの給湯室から、毎晩同じ時刻に水の流れる音がする。気にしないようにしていたのに、ある日その音が「私を呼んでいる」ことに気づいてしまった。 私が今の職場に転職してきたのは、三年ほど前のことだ。 県境の町にある、従業員三十人ほど...
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職場の同僚たちが、同じ夢を見ていた

ある夜から、職場の同僚たちが口をそろえて「同じ夢を見た」と言いはじめた。最初は偶然だと思っていたが、夢の内容が少しずつ、現実に侵食してくるまでは。 あれが本当に夢の話だったのか、俺にはもう自信がない。 勤め先は、県境に近い小さな町にある...
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同窓会の写真に、知らない顔がいた

高校卒業から十五年後の同窓会で撮った集合写真に、誰も知らない男が写っていた。しかしアルバムを掘り返すと、その男はずっとそこにいた。 同窓会の話をしようと思う。 といっても、青春の思い出とか、久しぶりに会った旧友と盛り上がったとか、そうい...
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結婚式のアルバムに、知らない人がいた

親友の結婚式の写真に、誰も招待していないはずの人物が何枚も写り込んでいた。式の記憶を辿るほど、その人物の輪郭がくっきりと浮かび上がってくる。 これは三年ほど前の話になる。 私には、中学からの付き合いになる親友がいて、彼女のことを仮にミキ...
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