一人称怪談

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巡回中、トンネルの人数が合わなかった話

山中トンネルの夜勤警備員として働いていた俺が、巡回記録の「人数」が毎回ずれていることに気づいたとき、すでに何かが始まっていた。正しい数は、いったいどちらなのか。 これを書いておこうと思ったのは、あの仕事を辞めてからちょうど一年が経ったから...
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毎朝、ポストに誰かの名前があった

引っ越して間もない一軒家で、毎朝ポストに届く郵便物には、家族の誰でもない名前が書かれていた。その名前を調べるたびに、私の記憶から何かが少しずつ消えていった。 あの家に越してきたのは、夫の転勤が決まった三月の終わりだった。 県境に近い小さ...
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毎晩、誰かが庭を数えていた

引っ越し先の古い一軒家で、庭の木の本数がひとつずつ減っていくことに気づいた女性の記録。誰も切っていないのに、確かに減っていた。 あの家に引っ越してきたのは、三年前の秋のことだ。 県境に近い、人口の少ない静かな町だった。バス停からも駅から...
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うちの窓から見える景色の話

引っ越したアパートの窓から見える景色が、ある日を境に少しずつ変わり始めた。最初は気のせいだと思っていたが、やがて「景色」だけではない何かが変わっていることに気づく。 おれが今のアパートに引っ越したのは、二年ほど前のことだ。 仕事の関係で...
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毎朝通る道の話

毎朝同じ道を歩くうちに、ある日から「順番」がおかしくなっていることに気づいた。誰も変だと思わないのに、自分だけが気づいてしまった男の記録。 これを書いているのは、あの道を通るのをやめてから三ヶ月ほど経った今だ。誰かに話しておきたいわけでも...
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毎回、同じ場所で道を聞いてくる人の話

通勤路の同じ交差点で、同じ女性に、同じ質問をされ続けた。最初は偶然だと思っていた。 これを書こうと決めたのは、あの女性のことをもう誰にも話さないでおこうと思ったのに、それでも頭から離れないからだ。話すことで少し整理できるかもしれないし、あ...
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退去後も届いていた、あの部屋の手紙について

引っ越しから半年後、旧居の郵便受けに自分宛の手紙が届き続けていると知った。差出人の名前は、どこにも登録した覚えがなかった。 引っ越しというのは、思っていた以上に後処理が長引くものだと知ったのは、二十八歳のときだった。 当時の僕は、県境に...
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通勤路のあの店について

毎朝通る道に、いつからかある小さな古道具屋があった。誰にも見えていないと気づいたのは、店に入ってからだった。 話すと長くなるんだけど、聞いてほしいことがある。 俺は今から二年ほど前、県境に近いベッドタウンに引っ越した。職場まで電車で四十...
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毎晩、知らない声に名前を呼ばれる話

毎晩同じ夢を見るようになった。暗い場所で、知らない誰かが自分の名前を呼ぶだけの夢。ある日、その声が夢の外まで追いかけてきた。 最初に夢を見たのは、去年の秋口だったと思う。 その頃わたしは、職場の異動があったり、一人暮らしをはじめて間もな...
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通勤路の途中にある、あの店のこと

毎朝同じ道を歩くたびに目に入る古い雑貨店。だが、同僚も地図アプリも、その場所には何もないと言う。自分だけが見えているものが、だんだんと自分の側へ近づいてきているような気がした。 その店に最初に気づいたのは、去年の春のことだった。 転職し...
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