不思議な体験

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毎晩同じ角を曲がる夢のこと

毎晩見る同じ夢の中で、ある角を曲がるたびに景色が少しずつ変わっていく。気づいたとき、私は夢の外でも何かを失い始めていた。 最初は、ただの夢だと思っていた。 夢を見る人間なんて世の中にごまんといるし、繰り返し同じ夢を見ることだってある。受...
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叔父の家の時計について

亡くなった叔父の家を片づけていた私は、家中の時計がすべて正確な時刻より数分だけ進んでいることに気づいた。それは叔父の癖だと聞かされたが、調べるうちに、その「数分」には別の意味があったように思えてならない。 叔父が死んだのは、私が三十二歳の...
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同窓会の写真に、知らないクラスメイトが写っていた話

中学の同窓会で撮った集合写真に、誰も卒業した記憶のない「三十三人目」が写っていた。調べるほどに、その存在の痕跡は確かに残っていて、それなのに誰一人、本当のことを語ろうとしなかった。 去年の秋に、中学の同窓会があった。 卒業してからざっと...
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旅先の写真に残った、私の影のこと

旅行先で撮った写真を見返すと、自分が写っていないはずのカットに、自分の影だけが落ちている。最初は光の加減だと思っていたのに、枚数が増えるにつれて、それは別の何かの証明になっていった。 その旅行の写真を整理したのは、帰ってきてから三日後のこ...
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毎年同じ日に届く、差出人のない手紙のこと

二十三歳の誕生日から毎年欠かさず届く差出人不明の手紙。消印も、筆跡も、毎回まったく同じだった。その手紙が、ある年だけ届かなかった。 最初の一通が届いたのは、私が二十三歳になった日のことだった。 当時、私は県境の町にある小さなアパートに一...
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旧居の郵便受けに届いた手紙のこと

引っ越しから数ヶ月が経っても、かつて住んでいたアパートの郵便受けに自分宛の手紙が届き続けた。差出人の名前に、見覚えはなかった。 引っ越しというのは、思ったよりも長い尾を引くものだと思う。転送届を出しても、どこかから旧住所に郵便が届いたり、...
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実家の庭に知らない木があった話

帰省のたびに少しずつ大きくなっていく、誰も植えた覚えのない一本の木。その根が伸びる先に、家族の誰も口にしなかったものがあった。 最初にその木に気づいたのは、三年ほど前の春のことだった。 就職を機に実家を出て、県をまたいだ場所でひとり暮ら...
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うちの猫が、ずっと見ていた場所のこと

引っ越して間もない頃から、飼い猫がリビングの一角をじっと見つめるようになった。最初は「猫あるある」だと笑っていたのに、やがてそれが笑えない話になっていった。 猫を飼ったことがある人なら、きっと一度は経験したことがあると思う。 ふと気づく...
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毎回同じ角で、道を聞かれた話

通勤ルートの途中にある古い交差点で、毎回まったく同じ女に、まったく同じ道を聞かれるようになった。最初はただの偶然だと思っていたが、ある夜に気づいてしまった——彼女が聞いてくる場所の名前が、地図のどこにも存在しないことに。 最初に彼女に声を...
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退去後も届き続けた、あの手紙のこと

引っ越しから三ヶ月後、旧居の郵便受けに自分宛の手紙が届いていると元隣人から連絡が来た。差出人も内容も、少しずつ、おかしかった。 引っ越しというのは、思った以上にやることが多い。 転居届、各種住所変更、ライフラインの解約手続き。それだけで...
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