不思議な体験

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実家の庭に知らない木があった話

帰省のたびに少しずつ大きくなっていく、誰も植えた覚えのない一本の木。その根が伸びる先に、家族の誰も口にしなかったものがあった。 最初にその木に気づいたのは、三年ほど前の春のことだった。 就職を機に実家を出て、県をまたいだ場所でひとり暮ら...
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うちの猫が、ずっと見ていた場所のこと

引っ越して間もない頃から、飼い猫がリビングの一角をじっと見つめるようになった。最初は「猫あるある」だと笑っていたのに、やがてそれが笑えない話になっていった。 猫を飼ったことがある人なら、きっと一度は経験したことがあると思う。 ふと気づく...
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毎回同じ角で、道を聞かれた話

通勤ルートの途中にある古い交差点で、毎回まったく同じ女に、まったく同じ道を聞かれるようになった。最初はただの偶然だと思っていたが、ある夜に気づいてしまった——彼女が聞いてくる場所の名前が、地図のどこにも存在しないことに。 最初に彼女に声を...
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退去後も届き続けた、あの手紙のこと

引っ越しから三ヶ月後、旧居の郵便受けに自分宛の手紙が届いていると元隣人から連絡が来た。差出人も内容も、少しずつ、おかしかった。 引っ越しというのは、思った以上にやることが多い。 転居届、各種住所変更、ライフラインの解約手続き。それだけで...
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アルバムの中の、知らない参列者

友人の結婚式のアルバムを整理していたとき、どの写真にも同じ女が写り込んでいることに気がついた。誰も彼女を知らないのに、彼女はずっとそこにいた。 あれを思い出すきっかけになったのは、去年の秋に自分の引き出しを整理していたときのことだった。奥...
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祖母の家の電話が、つながる先のこと

亡くなった祖母の家を片付けるために訪れた私は、誰もかけてくるはずのない固定電話が、決まった時刻に鳴り続けることに気づいた。受話器の向こうにいるのは、何者なのか。 祖母が亡くなったのは、三月の終わりのことだった。 享年八十二。老衰と診断さ...
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実家の階段、今日は何段だった

帰省のたびに、実家の階段の数が変わる。誰も気づいていないのに、私だけが数え続けている。 私が階段の段数を数えるようになったのは、たぶん子どもの頃からの癖だ。 理由は特にない。手すりを触りながら一段ずつ上がるとき、自然と数が口から出てきた...
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