スポンサーリンク
Uncategorized

旅先の写真に残った、私の影のこと

旅行先で撮った写真を見返すと、自分の姿はどこにもないのに、自分だけの影が地面に落ちていた。最初は光の加減だと思っていた。 去年の秋に、一人で小さな旅行をした。 目的地は特に決めていなくて、ただ仕事が続きすぎて疲れていたから、なんとなく電...
Uncategorized

給湯室の水が、止まらない夜のこと

誰もいないはずの給湯室から、毎晩同じ時刻に水の流れる音がする。気にしないようにしていたのに、ある日その音が「私を呼んでいる」ことに気づいてしまった。 私が今の職場に転職してきたのは、三年ほど前のことだ。 県境の町にある、従業員三十人ほど...
Uncategorized

職場の同僚たちが、同じ夢を見ていた

ある夜から、職場の同僚たちが口をそろえて「同じ夢を見た」と言いはじめた。最初は偶然だと思っていたが、夢の内容が少しずつ、現実に侵食してくるまでは。 あれが本当に夢の話だったのか、俺にはもう自信がない。 勤め先は、県境に近い小さな町にある...
Uncategorized

同窓会の写真に、知らない顔がいた

高校卒業から十五年後の同窓会で撮った集合写真に、誰も知らない男が写っていた。しかしアルバムを掘り返すと、その男はずっとそこにいた。 同窓会の話をしようと思う。 といっても、青春の思い出とか、久しぶりに会った旧友と盛り上がったとか、そうい...
Uncategorized

結婚式のアルバムに、知らない人がいた

親友の結婚式の写真に、誰も招待していないはずの人物が何枚も写り込んでいた。式の記憶を辿るほど、その人物の輪郭がくっきりと浮かび上がってくる。 これは三年ほど前の話になる。 私には、中学からの付き合いになる親友がいて、彼女のことを仮にミキ...
Uncategorized

誰も知らないはずの、あの同僚のこと

転職して半年、職場に「いるはずのない同僚」の存在に気づいた男の記録。誰も彼のことを覚えていないのに、確かに一緒に仕事をしていた。 これを書いているのは、あの一件からちょうど一年が経った頃だ。書いておかないと、自分でも何が本当だったのか、わ...
Uncategorized

うちの猫が、見ていたもののこと

引っ越したばかりのアパートで、飼い猫がある一点をじっと見つめるようになった。最初は気のせいだと思っていた。でも、猫が見ていたのは「何もない場所」ではなかったのかもしれない。 うちの猫の名前はムギという。麦わら色の雑種で、拾ったときはてのひ...
Uncategorized

祖母の仏壇に、知らない顔が増えていく

祖母の家の仏壇に並ぶ遺影が、帰省のたびに少しずつ増えていた。見覚えのない顔、知らない名前——誰も増やした記憶がないのに、誰もおかしいとは言わなかった。 祖母が亡くなったのは、私が二十四歳の冬のことだった。 肺炎をこじらせて、入院から三週...
Uncategorized

備品リストの、知らない道具のこと

職場の備品管理を引き継いだ男が、リストの中に誰も知らない道具の記録を見つけた。貸出履歴は何年も前から続いているのに、その道具を使った者は一人もいない。 僕が備品管理を引き継いだのは、去年の秋のことだった。 勤め先は県境の町にある、小さな...
Uncategorized

実家の階段、今日は何段だった

帰省のたびに、実家の階段の数が変わる。誰も気づいていないのに、私だけが数え続けている。 私が階段の段数を数えるようになったのは、たぶん子どもの頃からの癖だ。 理由は特にない。手すりを触りながら一段ずつ上がるとき、自然と数が口から出てきた...
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました