じわじわ怖い

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祖母の仏壇に並ぶ、知らない顔のこと

祖母の家の仏壇に、帰省のたびに増えていく見知らぬ人の遺影。誰の写真なのかを祖母に尋ねるたび、返ってくる答えが少しずつ変わっていた。 祖母の家に初めて違和感を覚えたのは、たしか私が二十四か二十五の頃だったと思う。就職して二年目か三年目、お盆...
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祖母がいつも挨拶していた、あの角のこと

祖母は毎朝、玄関脇の何もない壁の角に向かって「おはようございます」と頭を下げていた。幼い頃から当たり前に見ていたその光景の意味を、私が知ったのは祖母が逝って半年後のことだった。 祖母の家は、山間の小さな町の外れにあった。県境に近い、もう名...
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祖父母の家の、開かずの間のこと

祖父母の家には、子どもの頃から絶対に開けてはいけない部屋があった。理由を聞いても誰も答えてくれなかったその部屋の扉が、祖父の葬儀の夜、少しだけ開いていた。 祖父母の家には、子どもの頃からずっと開かずの間があった。 場所は、山のほうへ向か...
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給湯室の水が、誰もいない時間に流れる

誰もいないはずの時間に、職場の給湯室から水の流れる音がする。最初は気のせいだと思っていた。でも、記録を取りはじめてから、少しずつ、おかしなことに気がついていった。 これは、去年の秋から冬にかけての話だ。 私はその頃、とある中規模の会社に...
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配達物の宛名が変わっていた話

ある日届いた荷物の宛名に、見知らぬ名前が印字されていた。それは最初、単純な誤配だと思っていた。 最初に気づいたのは、去年の秋ごろのことだ。 ちょうど仕事が立て込んでいた時期で、ネットで頼んだ日用品が届くのをぼんやりと待っていた。インター...
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友人の留守電に残っていたもの

親友・ミズキからの留守電を再生するたびに、彼女の声とは別の「何か」が録音されていることに気づいた。最初は雑音だと思っていたが、それは確かに言葉を喋っていた。
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死んだ友人のアカウントのこと

事故で亡くなった親友のSNSアカウントが、死後も更新され続けた。最初は遺族か誰かの手違いだと思っていた。でも投稿の内容が、私にしか分からないことを、知っていた。 ミサキが死んだのは、去年の秋の終わりごろだった。 峠道での事故だったと、共...
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毎晩同じ角を曲がる夢のこと

毎晩見る同じ夢の中で、ある角を曲がるたびに景色が少しずつ変わっていく。気づいたとき、私は夢の外でも何かを失い始めていた。 最初は、ただの夢だと思っていた。 夢を見る人間なんて世の中にごまんといるし、繰り返し同じ夢を見ることだってある。受...
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叔父の家の時計について

亡くなった叔父の家を片づけていた私は、家中の時計がすべて正確な時刻より数分だけ進んでいることに気づいた。それは叔父の癖だと聞かされたが、調べるうちに、その「数分」には別の意味があったように思えてならない。 叔父が死んだのは、私が三十二歳の...
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祖母の仏壇の写真が、増えていた話

祖母の家に帰るたびに、仏壇に飾られた遺影が一枚ずつ増えていた。誰も気づいていないのか、それとも気づいていて、黙っているのか。
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