2026-09

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うちの猫が見ていたもの

一人暮らしを始めて半年、飼い猫のムギがある日から部屋の同じ場所を凝視するようになった。最初は「猫あるある」だと笑っていたのに、気づいたころには笑えなくなっていた。 猫を飼ったことがある人ならわかると思うけど、猫って突然、何もない壁とか空間...
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あの留守電に入っていた、別の声のこと

友人・カワムラから届いた留守電に、彼ではない声が混じっていた。最初は雑音だと思っていた。でも聴き返すたびに、その声は少しずつ、内容を変えていた。 これを書こうと決めたのは、先月、カワムラから荷物が届いたからだ。段ボール箱のなかに入っていた...
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友人の留守電に残っていたもの

親友・ミズキからの留守電を再生するたびに、彼女の声とは別の「何か」が録音されていることに気づいた。最初は雑音だと思っていたが、それは確かに言葉を喋っていた。
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同じ夢を見ていたひとの話

捨てられたノートに書かれた夢の記録が、自分がつけてきた夢日記とまったく同じ夢を綴っていた。書いたのは誰で、なぜ同じ夢を見ていたのか、最後まで答えは出なかった。 そのノートを拾ったのは、去年の秋口のことだった。 私は当時、県境の町の外れに...
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毎晩続く、あの廊下の夢のこと

同じ廊下を歩き続ける夢を見るようになってから、現実との境界が少しずつ溶けていった。夢の中にいる「誰か」が、こちら側に近づいてきている気がしてならない。
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拾ったノートに書かれていた夢の話

古本屋の近くで拾ったボロボロのノート。そこには、私が見てきた夢と、まったく同じ夢が、見知らぬ誰かの筆跡で記されていた。 それを拾ったのは、去年の秋の終わりごろだった。 場所は、私が住んでいる町の外れにある商店街。シャッターの降りた店が多...
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誰もいない時間に映っていたもの

深夜の事務所の防犯カメラに、毎晩同じ時刻に人影が映り込んでいた。だが調べるほどに、その影が「ずっと前からそこにいた」ことがわかってきた。 これを書こうと思ったのは、先月ようやく退職が決まったからだ。あの会社を辞める理由は表向き「一身上の都...
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死んだ友人のアカウントのこと

事故で亡くなった親友のSNSアカウントが、死後も更新され続けた。最初は遺族か誰かの手違いだと思っていた。でも投稿の内容が、私にしか分からないことを、知っていた。 ミサキが死んだのは、去年の秋の終わりごろだった。 峠道での事故だったと、共...
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毎晩同じ角を曲がる夢のこと

毎晩見る同じ夢の中で、ある角を曲がるたびに景色が少しずつ変わっていく。気づいたとき、私は夢の外でも何かを失い始めていた。 最初は、ただの夢だと思っていた。 夢を見る人間なんて世の中にごまんといるし、繰り返し同じ夢を見ることだってある。受...
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叔父の家の時計について

亡くなった叔父の家を片づけていた私は、家中の時計がすべて正確な時刻より数分だけ進んでいることに気づいた。それは叔父の癖だと聞かされたが、調べるうちに、その「数分」には別の意味があったように思えてならない。 叔父が死んだのは、私が三十二歳の...
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