洒落怖

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実家の階段、いつから何段だったか

帰省のたびに、実家の階段の段数が微妙にずれている気がする。気のせいだと思っていた、最初のうちは。 子どもの頃から、数を数えるのが好きだった。 階段の段数とか、電柱の本数とか、横断歩道の白い縞の数とか、そういう意味のないものを数える癖がず...
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毎晩続きを見る、あの廊下の夢

同じ廊下の夢を何年も見続けた男が、ある日その廊下を現実の中に見つけてしまう。夢の中でだけ先に進めると思っていたのに、もう戻れないかもしれない。 最初に見たのは、たぶん二十代の後半だったと思う。 当時、俺は県境に近い小さな町で一人暮らしを...
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柱の傷が、誰も知らない高さで増えていた

実家の廊下に刻まれた身長測定の傷跡。家族の誰も覚えていない高さに、見知らぬ刻み傷が増え続けていた。誰が、いつ、何のために刻んでいたのか――答えは最後まで出ない。 実家の廊下に、柱がある。 玄関を上がってすぐ右手、昔ながらの木造建築によく...
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天井の足音が、夜ごとに増えていった話

引っ越したばかりのアパートで、毎晩決まった時間に天井を歩く足音がした。最初は一人分だったそれが、夜を重ねるごとに確実に増えていった。 あの部屋に住んでいたのは、トータルで三ヶ月にも満たなかったと思う。それほど短い期間だったのに、あのときの...
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毎回、同じ角で道を聞かれる

同じ場所で、同じ顔の人間に、何度も道を聞かれる。ただそれだけのことが、じわじわと日常を侵食していった記録。 最初に声をかけられたのは、去年の春のことだった。 仕事を終えて最寄り駅から歩いて帰る途中、商店街を抜けた先にある丁字路の角で、一...
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祖母の仏壇に並ぶ、知らない顔のこと

祖母の家の仏壇に、帰省のたびに増えていく見知らぬ人の遺影。誰の写真なのかを祖母に尋ねるたび、返ってくる答えが少しずつ変わっていた。 祖母の家に初めて違和感を覚えたのは、たしか私が二十四か二十五の頃だったと思う。就職して二年目か三年目、お盆...
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祖母がいつも挨拶していた、あの角のこと

祖母は毎朝、玄関脇の何もない壁の角に向かって「おはようございます」と頭を下げていた。幼い頃から当たり前に見ていたその光景の意味を、私が知ったのは祖母が逝って半年後のことだった。 祖母の家は、山間の小さな町の外れにあった。県境に近い、もう名...
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祖父母の家の、開かずの間のこと

祖父母の家には、子どもの頃から絶対に開けてはいけない部屋があった。理由を聞いても誰も答えてくれなかったその部屋の扉が、祖父の葬儀の夜、少しだけ開いていた。 祖父母の家には、子どもの頃からずっと開かずの間があった。 場所は、山のほうへ向か...
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毎晩、知らない声に名前を呼ばれる話

毎晩同じ夢を見るようになった。暗い場所で、知らない誰かが自分の名前を呼ぶだけの夢。ある日、その声が夢の外まで追いかけてきた。 最初に夢を見たのは、去年の秋口だったと思う。 その頃わたしは、職場の異動があったり、一人暮らしをはじめて間もな...
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実家に帰るたびに増えていた家具の話

年に数回、実家に帰るたびに見覚えのない家具が一つずつ増えている。母親は「前からあった」と言い張るが、どこか目が笑っていない。 最初に気づいたのは、去年の正月に帰省したときのことだ。 俺は今、実家から電車で二時間ほどの距離にあるアパートで...
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