創作怪談

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旧居の郵便受けに届いた手紙のこと

引っ越しから数ヶ月が経っても、かつて住んでいたアパートの郵便受けに自分宛の手紙が届き続けた。差出人の名前に、見覚えはなかった。 引っ越しというのは、思ったよりも長い尾を引くものだと思う。転送届を出しても、どこかから旧住所に郵便が届いたり、...
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実家の庭に知らない木があった話

帰省のたびに少しずつ大きくなっていく、誰も植えた覚えのない一本の木。その根が伸びる先に、家族の誰も口にしなかったものがあった。 最初にその木に気づいたのは、三年ほど前の春のことだった。 就職を機に実家を出て、県をまたいだ場所でひとり暮ら...
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友人のアカウントが、まだ動いている

親友の突然の死から三ヶ月、彼女のSNSアカウントが誰かによって更新され続けている。投稿される写真の中に、少しずつ「おかしなもの」が写り込むようになった。 沙耶が死んだのは、去年の秋のことだった。 突然のことだった、というのは本当で、前日...
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うちの猫が、ずっと見ていた場所のこと

引っ越して間もない頃から、飼い猫がリビングの一角をじっと見つめるようになった。最初は「猫あるある」だと笑っていたのに、やがてそれが笑えない話になっていった。 猫を飼ったことがある人なら、きっと一度は経験したことがあると思う。 ふと気づく...
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給湯室の水が、止まらない夜のこと

誰もいないはずの時間に、給湯室から水の流れる音がする。それが気になりだしてから、私は職場のある「事実」に少しずつ気づいていった。 これは私が以前勤めていた会社でのことで、もう五年ほど前の話になる。 当時、私はとある中小の卸売会社に勤めて...
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毎回同じバス停で、見つめてくる人の話

通勤に使う路線バスの、決まった停留所に、いつも同じ人が立っている。ある日、その人が自分を「待っていた」ことに気づくまでの話。 これは去年の秋ごろから、今年の春にかけて、私が実際に体験したことです。怖い話というより、今も答えが出ていない話、...
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毎回同じ角で、道を聞かれた話

通勤ルートの途中にある古い交差点で、毎回まったく同じ女に、まったく同じ道を聞かれるようになった。最初はただの偶然だと思っていたが、ある夜に気づいてしまった——彼女が聞いてくる場所の名前が、地図のどこにも存在しないことに。 最初に彼女に声を...
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職場の同僚たちが、同じ夢を見ていた話

ある地方の小さな事務所で働く私は、同僚たちが口々に「同じ夢を見た」と話すのを聞くようになった。最初は笑い話のつもりだったが、夢の内容が少しずつ、確実に現実へと滲み出してきた。 あれが始まったのは、確か去年の秋のことだったと思う。 私は県...
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退去後も届き続けた、あの手紙のこと

引っ越しから三ヶ月後、旧居の郵便受けに自分宛の手紙が届いていると元隣人から連絡が来た。差出人も内容も、少しずつ、おかしかった。 引っ越しというのは、思った以上にやることが多い。 転居届、各種住所変更、ライフラインの解約手続き。それだけで...
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祖母がいつも挨拶していた、あの場所のこと

祖母が毎朝、誰もいない縁側の隅に向かって頭を下げていた。その理由を知ったとき、私は祖母の家に二度と泊まれなくなった。 祖母の家に初めて泊まったのは、小学三年生の夏だった。 県境に近い山の中の集落で、バス停から歩いて二十分くらいかかる場所...
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