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旅先の写真に残った、私の影のこと

旅行先で撮った写真を見返すと、自分が写っていないはずのカットに、自分の影だけが落ちている。最初は光の加減だと思っていたのに、枚数が増えるにつれて、それは別の何かの証明になっていった。 その旅行の写真を整理したのは、帰ってきてから三日後のこ...
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毎年同じ日に届く、差出人のない手紙のこと

二十三歳の誕生日から毎年欠かさず届く差出人不明の手紙。消印も、筆跡も、毎回まったく同じだった。その手紙が、ある年だけ届かなかった。 最初の一通が届いたのは、私が二十三歳になった日のことだった。 当時、私は県境の町にある小さなアパートに一...
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職場のみんなが、同じ夢を見ていた話

ある朝から職場の同僚たちが「同じ夢を見た」と話し始め、その夢の内容が少しずつ、確実に変化していった。自分だけが夢を見ていないことに気づいたとき、本当の恐怖が始まった。 最初にその話が出たのは、確か十一月の終わりごろだったと思う。 私が働...
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実家に帰るたびに、家具が増えていた話

年に数回しか帰らない実家で、帰省のたびに見覚えのない家具が一つずつ増えていた。両親は「ずっとあった」と言い張り、写真の記録だけが静かに食い違いを証明し続けた。 これはおれが二十代の後半から数年かけて経験した話で、今もはっきりした答えは出て...
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旧居の郵便受けに届いた手紙のこと

引っ越しから数ヶ月が経っても、かつて住んでいたアパートの郵便受けに自分宛の手紙が届き続けた。差出人の名前に、見覚えはなかった。 引っ越しというのは、思ったよりも長い尾を引くものだと思う。転送届を出しても、どこかから旧住所に郵便が届いたり、...
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実家の庭に知らない木があった話

帰省のたびに少しずつ大きくなっていく、誰も植えた覚えのない一本の木。その根が伸びる先に、家族の誰も口にしなかったものがあった。 最初にその木に気づいたのは、三年ほど前の春のことだった。 就職を機に実家を出て、県をまたいだ場所でひとり暮ら...
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友人のアカウントが、まだ動いている

親友の突然の死から三ヶ月、彼女のSNSアカウントが誰かによって更新され続けている。投稿される写真の中に、少しずつ「おかしなもの」が写り込むようになった。 沙耶が死んだのは、去年の秋のことだった。 突然のことだった、というのは本当で、前日...
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うちの猫が、ずっと見ていた場所のこと

引っ越して間もない頃から、飼い猫がリビングの一角をじっと見つめるようになった。最初は「猫あるある」だと笑っていたのに、やがてそれが笑えない話になっていった。 猫を飼ったことがある人なら、きっと一度は経験したことがあると思う。 ふと気づく...
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給湯室の水が、止まらない夜のこと

誰もいないはずの時間に、給湯室から水の流れる音がする。それが気になりだしてから、私は職場のある「事実」に少しずつ気づいていった。 これは私が以前勤めていた会社でのことで、もう五年ほど前の話になる。 当時、私はとある中小の卸売会社に勤めて...
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毎回同じバス停で、見つめてくる人の話

通勤に使う路線バスの、決まった停留所に、いつも同じ人が立っている。ある日、その人が自分を「待っていた」ことに気づくまでの話。 これは去年の秋ごろから、今年の春にかけて、私が実際に体験したことです。怖い話というより、今も答えが出ていない話、...
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